男子400メートル個人メドレーの決勝では、18歳の松下知之選手がパリオリンピックの代表に内定しました。瀬戸大也選手は2位で派遣標準記録を切れませんでした。
記事後半では、大会2日目の夜のレースの全結果をお伝えしています。
★女子 100m バタフライ 平井と池江が五輪代表内定
競泳のパリオリンピックの代表選考を行う大会は2日目の18日、女子100メートルバタフライの決勝が行われ、17歳の平井瑞希選手が優勝、池江璃花子選手が2位となり、いずれも日本水泳連盟が定める派遣標準記録を突破して、パリオリンピックの代表に内定しました。
今回の大会は、東京 江東区の東京アクアティクスセンターで8日間の日程で行われ、決勝で「派遣標準記録」と呼ばれる日本水泳連盟が設定したタイムを突破したうえで、2位以内に入ればパリオリンピックの個人種目の代表に内定します。
大会2日目に行われた種目のうち、女子100メートルバタフライの決勝では、17歳の高校生、平井選手が前半の50メートルは4番手と遅れましたが、後半、持ち味の力強いキックで追い上げて、56秒91のタイムで優勝しました。
また、準決勝で白血病からの復帰後、自己ベストのタイムをマークした池江選手が、前半から積極的なレースを見せ、終盤で平井選手に逆転されたものの57秒30のタイムで2位に入りました。
しました。
平井選手は初めてのオリンピック代表内定、池江選手は3大会連続のオリンピックの切符で、前回の東京大会はリレーメンバーとして出場したため、個人種目ではリオデジャネイロ大会以来、2大会ぶりです。
平井瑞希「自己ベスト更新で代表入り とてもうれしい」
平井瑞希選手は「レースでは失敗した部分はあるが、自己ベストを更新して代表に入ることができてとてもうれしい」と話しました。
ここまでの道のりについて報道陣から問われると「自分に向き合って、常に自己ベストを出せるように 努力してきたので、それがここにつながってよかった。たくさんの人が応援してくれたので、みんなの力で代表になれたこともうれしい」と話していました。
池江璃花子「とにかくうれしいということばしか出てこない」
池江璃花子選手は「とにかくほっとしている。3年前の東京オリンピックは個人種目で行けなかったので、個人でパリにいくことが大事だった。とにかくうれしいということばしか出てこない」と喜びを語りました。
そのうえで「楽しみながら水泳をできるようになったことが、派遣標準記録を切れた要因だと思う。もっと水泳が楽しいと思えるように、きついことも楽しいと思えるようにしていきたい」と話しました。
そして、パリに向けて「今、泣いていない自分にも驚いていて、達成感が強い。オリンピックではまずは決勝に残ること、そして16歳のころの自分のリオデジャネイロ大会の決勝のタイムを上回ることが目標で、自分を信じていきたい」と今後を見据えました。
【決勝 結果】派遣標準記録 57.34
▽3.松本信歩 57.31(学生新)
▽4.相馬あい 57.64
▽5.飯塚千遥 57.98
▽6.廣下菜月 58.25
▽7.水口知保 58.88
▽8.池本凪沙 59.10
【解説】急成長の17歳 “目標の池江とパリへ”
急成長を見せている17歳の平井瑞希選手。女子100メートルバタフライの決勝では、持ち味の力強いキックで池江璃花子選手を終盤で逆転し、56秒91の自己ベストのタイムで優勝しました。
日本の女子で池江璃花子選手以来となる56秒台を達成した平井選手ですが、あくまでも目標とするのは池江選手が持つ日本記録56秒08です。平井選手はと話しました。
池江選手に競り勝って決めた代表内定についてはと笑顔を見せながら話しました。
その上で、パリオリンピックに向けてと意気込んでいました。
☆代表内定:平井瑞希(ひらい・みずき)
平井瑞希選手は愛知県出身の17歳の高校生。複数の泳法をバランスよく泳ぎますが、特にバタフライを得意とし、力強いキックから生み出されるスピードに乗った泳ぎが持ち味です。4歳から水泳を始め、高校入学にあわせて家族とともに神奈川県に移り、かつては本多灯選手も所属した神奈川県大和市のスポーツクラブで練習を積んでいます。
去年の世界ジュニア選手権では、50メートルと100メートルのバタフライでいずれも銅メダルを獲得し、2月に静岡県で行われた大会では、100メートルバタフライで57秒08のタイムをマークし、日本の女子で池江璃花子選手以来となる56秒台もねらえる存在に成長しました。尊敬するアスリートとして元レスリング選手の吉田沙保里さんを挙げ「常に勝ち続けて、勝っても自分を高めているのがすてきだと思う」と話し、されています。
☆代表内定:池江璃花子(いけえ・りかこ)
池江璃花子選手は東京都出身の23歳。バタフライと自由形が専門で、水の抵抗が少ない美しい水中姿勢と、肩周りの関節の柔らかさを生かした伸びやかな泳ぎが持ち味です。
3歳で水泳を始めると、中学生のころから次々と新記録を打ち立て、16歳で出場した2016年のリオデジャネイロオリンピックでは、女子100メートルバタフライで5位に入りました。さらに2018年のジャカルタアジア大会では、日本選手史上初の1大会6冠に輝き、大会のMVP=最優秀選手に選ばれました。
その翌年の2019年2月に白血病と診断されて闘病のため競技を離れましたが、およそ10か月の入院生活などをへて、2020年8月にレースに復帰しました。そして、2大会連続出場となった3年前の東京オリンピックでは、リレーの3種目に出場し、女子400メートルメドレーリレーで決勝に進んで8位に入りました。その後も、女子のキャプテンとして臨んだ去年の中国でのアジア大会で、50メートルバタフライで銅メダルを獲得するなど着実な前進を印象づけ、パリオリンピックでは個人種目での返り咲きを目指し、去年秋からオーストラリアに拠点を移して練習を積んできました。
★男子 400m 個人メドレー 松下が代表内定 瀬戸は届かず
男子400メートル個人メドレーの決勝が行われ、18歳の松下知之選手が優勝し、設定された派遣標準記録を突破して代表に内定しました。
松下選手がバタフライと背泳ぎでは瀬戸大也選手などに先行され、前半の200メートルを4番手で折り返しました。
しかし、得意の後半、平泳ぎで徐々に追い上げると、最後の自由形で残り50メートルを切ったところから一気に逆転し、4分10秒04のタイムで優勝、派遣標準記録を突破してパリオリンピックの代表に内定しました。
松下選手は初のオリンピックの切符で今大会、初めての代表内定となりました。
2月の世界選手権のこの種目で銅メダルを獲得した瀬戸大也選手は2位でしたが、派遣標準記録をわずか0秒21切れず、この種目での内定はなりませんでした。
松下知之「初めての夢の舞台 達成感もあるし すごくうれしい」
松下知之選手は「初めての夢の舞台で自分がずっとテレビで見ていた大会なので、自力でつかみ取れたという達成感もあるし、すごくうれしい」と興奮した様子で話しました。
瀬戸大也選手との激しい争いとなったレースの感想を問われると「瀬戸さんと戦える試合は残り少ないなと思いながら、全力で自分の力を瀬戸さんにぶつけてやるぞという思いで臨んだ」と話しました。
今後のレースに向けては「200メートル個人メドレーは接戦になると思うので、気持ちを切り替えてしっかり前半からいけるような積極的なレースをしていきたい」と話していました。
【決勝 結果】★派遣標準記録 4:10.63
▽2.瀬戸大也 4:10.84
▽3.田渕海斗 4:11.15
▽4.小方 颯 4:13.48
▽5.西川我咲 4:13.86
▽6.井狩裕貴 4:16.76
▽7.上川畑 英 4:17.02
▽8.山口哩駈 4:17.27
☆代表内定:松下知之(まつした・ともゆき)
松下知之選手は栃木県出身の18歳の高校生。個人メドレーを得意としていて、豊富なスタミナと、後半での粘り強さや自由形での伸びが持ち味です。小学校入学前から本格的に水泳を始め、高校に入ると急成長を見せて、去年の世界ジュニア選手権では、400メートル個人メドレーで金メダルを獲得しました。同じ栃木県出身で、リオデジャネイロオリンピックの400メートル個人メドレーの金メダリスト、萩野公介さんを「重圧をはねのける豪快な泳ぎに憧れた」と尊敬しています。
今大会に向けては、その萩野さんを指導した平井伯昌コーチのもとで指導を受け、平井コーチもなどと、その能力を高く評価していました。
==大会2日目【そのほかの全結果】==
★男子 100m 平泳ぎ 決勝 谷口が優勝も五輪内定ならず
【決勝 結果】★派遣標準記録 59.26
▽1.谷口 卓 59.43
▽2.花車 優 59.47
▽2.渡辺一平 59.47
▽4.深沢大和 59.50
▽5.渡辺隼斗 1:00.24
▽6.武良竜也 1:00.28
▽7.大蔵礼生 1:00.60
▽8.小泉龍馬 1:00.66
◆女子 200m 自由形 準決勝 小堀倭加が1位で決勝へ
◇世界記録 1:52.85
◇日本記録 1:54.85
【準決勝 結果】
▽1.小堀倭加 1:58.72
▽2.白井璃緒 1:59.14
▽3.吉井萌萌花 1:59.67
▽4.望月絹子 1:59.88
▽5.難波実夢 2:00.17
▽6.牧野紘子 2:00.44
▽7.池本凪沙 2:00.47
▽8.増田 葵 2:00.65
▽9.伊東開耶 2:00.96
▽10.今井美祈 2:01.08
▽11.川口茉美 2:01.31
▽12.神野ゆめ 2:01.33
▽13.福岡由唯 2:01.78
▽14.岡村梨香 2:02.34
▽15.弘中花音 2:02.38
▽16.澤野莉子 2:03.45
◆男子 100m 背泳ぎ 準決勝 入江陵介1位で決勝へ
◇世界記録 51.60
◇日本記録 52.24
【準決勝 結果】
▽1.入江陵介 53.89
▽2.松山 陸 54.04
▽3.佐藤佑亮 54.18
▽4.加藤 理 54.24
▽5.川本武史 54.55
▽6.竹原秀一 54.57
▽7.内藤良太 54.84
▽8.柳川大樹 55.04
▽9.井野竜佳 55.06
▽10.三浦玲央 55.08
▽11.堀田恵路 55.09
▽11.村上汰晟 55.09
▽13.西村優雅 55.17
▽14.川端陸椰 55.18
▽15.江戸勇馬 55.19
▽16.三光哲平 55.52
◆女子 100m 平泳ぎ 準決勝 青木1位 鈴木聡美が2位で決勝へ
◇世界記録 1:04.13
◇日本記録 1:05.19
【準決勝 結果】
▽1.青木玲緒樹 1:05.76
▽2.鈴木聡美 1:06.29
▽3.宮坂倖乃 1:07.31
▽4.今井 月 1:07.48
▽5.渡部香生子 1:07.54
▽6.加藤心冨 1:07.68
▽7.小畠優々美 1:08.90
▽8.稲垣杏奈 1:09.01
▽9.中澤海凪 1:09.06
▽10.黒部和花 1:09.07
▽11.楠田夢乃 1:09.53
▽12.中村美羽 1:09.54
▽13.高橋奈々 1:09.73
▽14.石渡 遥 1:10.06
▽15.河原彩華 1:10.26
▽16.矢本奈菜 1:10.48
◆男子 200m 自由形 準決勝 松元克央は2位で決勝へ
◇世界記録 1:42.00
◇日本記録 1:44.65
【準決勝 結果】
▽1.柳本幸之介 1:47.63
▽2.松元克央 1:47.69
▽3.村佐達也 1:47.83
▽4.眞野秀成 1:48.04
▽5.吉田冬優 1:48.17
▽6.清水博斗 1:48.39
▽7.江原騎士 1:48.47
▽8.渡邊天馬 1:48.72
▽9.森 拓海 1:48.79
▽10.桐山真葵 1:49.01
▽11.渡辺裕太 1:49.18
▽12.黒田一瑳 1:49.95
▽13.上原卓巳 1:50.21
▽14.齊藤 凌 1:50.27
▽15.高橋航太郎 1:50.71
▽16.川田大夢 1:50.95
◇男子 50m バタフライ【決勝 結果】
▽1.水沼尚輝 23.26
▽2.田中優弥 23.44
▽3.中尾駿一 23.46
▽4.市川光太 23.68
▽5.阪本祐也 23.75
▽6.赤羽根康太 23.77
▽7.山口遼大 23.85
▽7.金一勢アンドレア 23.85
《2日目 夜のレース/スタートリスト》
◆19:19~男子 200m 自由形 準決勝
◇世界記録 1:42.00
◇日本記録 1:44.65 ▽1.黒田一瑳(コナミ新札幌) ▽2.清水博斗(コナミスポーツ/明治大) ▽3.渡邊天馬(イトマン近大) ▽4.松元克央(ミツウロコ/三菱養和SS) ▽5.江原騎士(SWANS) ▽6.眞野秀成(セントラルスポーツ) ▽7.上原卓巳(JFE京浜) ▽8.高橋航太郎(自衛隊) ▽1.渡辺裕太(明治大/ダンロップSC) ▽2.桐山真葵(マリン西新井) ▽3.柳本幸之介(イトマン東京/日本大) ▽4.村佐達也(中京大中京高/名鉄SS刈谷) ▽5.森 拓海(コナミスポーツ/国士舘大) ▽6.吉田冬優(三谷産業/三菱養和SS) ▽7.川田大夢(自衛隊) ▽8.齊藤 凌(プライマリンク/ウキSS) ◆19:35~女子 100m 平泳ぎ 準決勝 ◇世界記録 1:04.13 ◇日本記録 1:05.19 ▽1.中村美羽(RAYS) ▽2.稲垣杏奈(イ ト マ ン/近畿大学附高) ▽3.加藤心冨(スウィン鴻巣/春日部共栄高) ▽4.青木玲緒樹(ミズノ) ▽5.今井 月(バローHD/東京ドームS) ▽6.黒部和花(東京SC/日本大) ▽7.楠田夢乃(藤村SS/藤村女子高) ▽8.河原彩華(アテナAMC/武南高) ▽1.高橋奈々(筑波大) ▽2.小畠優々美(NECGSC玉川) ▽3.宮坂倖乃(コナミスポーツ) ▽4.鈴木聡美(ミキハウス) ▽5.渡部香生子(MEIGI) ▽6.中澤海凪(ダンロップSC/日大藤沢高) ▽7.石渡 遥(中京大/名古屋SC) ▽8.矢本奈菜(日本大学高) ◆19:45~男子 100m 背泳ぎ 準決勝 ◇世界記録 51.60 ◇日本記録 52.24 ▽1.西村優雅(湘南工大附高/林水泳教室) ▽2.三光哲平(中央大) ▽3.加藤 理(山陰パナソニック/アクアみすみ) ▽4.松山 陸(銀座千疋屋) ▽5.竹原秀一(東洋大/はるおか赤間) ▽6.三浦玲央(筑波大) ▽7.堀田恵路(フォトライフ/鳥取・パジャ) ▽8.村上汰晟(早稲田大) ▽1.内藤良太(八洲電業社) ▽2.井野竜佳(GLOBAL UNION/近大クラブ) ▽3.川本武史(TOYOTA) ▽4.佐藤佑亮(イトマンアビコ/太成学院大高) ▽5.入江陵介(イトマン東進) ▽6.柳川大樹(イトマン港北/明治大) ▽7.江戸勇馬(Qlassic) ▽8.川端陸椰(東洋大学) ◆19:55~女子 200m 自由形 準決勝 ◇世界記録 1:52.85 ◇日本記録 1:54.85 ▽1.弘中花音(イトマン/四條畷学園高) ▽2.望月絹子(鈴与) ▽3.吉井萌萌花(イトマン) ▽4.白井璃緒(ミズノ) ▽5.小堀倭加(あいおいニッセイ/相模原市水協) ▽6.増田 葵(菅公学生服) ▽7.岡村梨香(アクラブ堀之内/法政大) ▽8.澤野莉子(イトマン東京/中央大) ▽1.福岡由唯(イトマン東伏見) ▽2.今井美祈(日成) ▽3.牧野紘子(あいおいニッセイ/東京ドームS) ▽4.池本凪沙(イトマン東京/中央大) ▽5.難波実夢(JSS/近畿大) ▽6.伊東開耶(セントラルスポーツ/昭和学院高) ▽7.川口茉美(神奈川大/ルネサンス港南中) ▽8.神野ゆめ(中京大) ★20:11~男子 400m 個人メドレー【決勝】 ◇世界記録 4:02.50 ◇日本記録 4:06.05 ▽1.井狩裕貴(イトマン東京) ▽2.西川我咲(豊川高/KL春日井) ▽3.松下知之(スウィン宇都宮/宇都宮南高) ▽4.瀬戸大也(CHARIS&Co.) ▽5.山口哩駈(桃山学院高) ▽6.田渕海斗(NECGSC溝の口/明治大) ▽7.小方 颯(イトマン港北/日本大) ▽8.上川畑 英(イトマン港北/明治大) ★20:22~女子 100m バタフライ【決勝】 ◇世界記録 55.48 ◇日本記録 56.08 ▽1.池本凪沙(イトマン東京/中央大) ▽2.廣下菜月(中京大) ▽3.松本信歩(東京ドームS/早稲田大) ▽4.池江璃花子(横浜ゴム/ルネサンス) ▽5.平井瑞希(ATSC.YW/日大藤沢高) ▽6.相馬あい(ミキハウス) ▽7.飯塚千遥(NOK) ▽8.水口知保(セントラル目黒/明治大) ★20:30~男子 100m 平泳ぎ【決勝】 ◇世界記録 56.88 ◇日本記録 58.78 ▽1.武良竜也(ミキハウス) ▽2.渡辺隼斗(自衛隊) ▽3.花車 優(イトマン東京) ▽4.深沢大和(東急/TSSあざみ野) ▽5.谷口 卓(中京大) ▽6.渡辺一平(TOYOTA) ▽7.大蔵礼生(JSS/近畿大) ▽8.小泉龍馬(日本体育大) ◇20:42~男子 50m バタフライ【決勝】 ◇世界記録 22.27 ◇日本記録 23.13 ▽1.山口遼大(早稲田大) ▽2.阪本祐也(富士防/大紀SC) ▽3.中尾駿一(静科) ▽4.赤羽根康太(自衛隊/スウィン大宮) ▽5.田中優弥(スウィンSS/イナホスポーツ) ▽6.市川光太(日立製作所) ▽7.金一勢アンドレア(ヌーベルヴァーグ) ▽8.水沼尚輝(新潟医福大職) 《大会2日目の見どころ》 大会2日目の18日はオリンピック種目以外も含め4つの種目で決勝が行われ、このうち、女子100メートルバタフライでは、この種目の日本記録保持者の池江璃花子選手が準決勝で、白血病からの復帰後、自己ベストのタイムをマークして全体トップで通過し、2大会ぶりの個人種目での代表内定なるか注目です。 また、成長著しい17歳の高校生、平井瑞希選手も準決勝を好タイムで2位で突破し、ことしに入ってから一気にタイムを伸ばしている新星が、初めてのオリンピック出場をねらいます。 リオデジャネイロオリンピックの金メダリストで、今大会のNHKの中継で解説を務める萩野公介さんは池江選手についてと簡単な代表争いではないことを強調しました。そのうえでと準決勝で好タイムをマークし調子の良さをうかがわせる池江選手へ期待を寄せました。 対するのが17歳の平井選手です。萩野さんはと、池江選手と平井選手を軸とした実績組と若手の争いが注目だと指摘しています。 このほか、男子400メートル個人メドレーでは、2月の世界選手権で、この種目の銅メダルを獲得した瀬戸大也選手や、18歳の松下知之選手などが代表内定を目指します。 大会初日は代表内定はなく2日目で、パリオリンピックの切符をつかむ初の内定が出るか注目されます。 《パリ五輪 代表選考方法は “一発勝負”》 競泳のパリオリンピック代表はいわばで決まります。 今回の代表選考会の決勝で日本水泳連盟が設けた派遣標準記録を突破したうえで、2位以内に入った選手が内定します。 この派遣標準記録は、オリンピックに出場した日本選手全員が決勝に進出し、複数のメダルを獲得することを目指して日本水泳連盟が設けた独自の基準で、今回は2017年以降のオリンピックと世界選手権の10位相当のタイムが設定されています。すべての種目で、世界水連が定めるオリンピックの参加基準よりも速いか同じタイムであるうえ、800メートル自由形は日本記録よりも速いタイムとなっています。また、4人で泳ぐリレーの種目についても、リレー用の派遣標準記録が設定されています。 競泳の代表選考をめぐっては、2000年のシドニーオリンピックの際、3大会連続出場を目指していた千葉すずさんが選考会で優勝したものの代表に選ばれず、日本水泳連盟に選考基準を説明することなどを求めてスポーツ仲裁裁判所に提訴しました。訴えは退けられましたが、選考基準が明確でなかったことが指摘され、2004年のアテネオリンピックの選考では事前に基準を示し、選考会で日本水泳連盟が決めた派遣標準記録を突破して、2位以内に入った選手を選ぶ方式となりました。 派遣標準記録は、国際大会で表彰台を狙えるよう高い目標タイムが設定され、これが日本の競泳界のレベルを押し上げ、北島康介さんなど世界で結果を残す選手を生み出してきた一因とされています。 日本水泳連盟の鈴木大地会長はと意図を説明しています。 東京オリンピック以降、不振が続いている日本競泳陣が、高い選考基準を突破してパリの舞台で世界と渡り合うことができるのか、連盟も含めた取り組みの成果が問われる選考会となります。